時務を知る者は俊傑に在り。
吉田松陰曰く、「俊傑の學、何如と求むるに簡にして要を得るにあり。」
「其の簡要と云ふも矩方(松陰のこと)の寡陋にては確定すること能はざれども、先ず皇國の道を明らかにするの書、及び聖経賢傳は固より暫くも座側
を離すべからず。」
~中略~
「さて此の類を定め、日課を立て、三篇或は五篇を四五回程も朗誦し、然る後官府に登り職事を處する時は、事甚だ簡要にして、心氣を養ふの益は日に深かるべきかと窃かに愚考仕り、蛇足の事・妄言の罪を顧みず、區々の心を左右に布き、以て知己の厚意に報ぜんと計る。」