弘法大師 生誕1250周年 ということで
弘法大師にまつわる話をしております。
金曜日ということで
弘法大師と「金」についてお話をしたいと思います。
弘法大師といえば
別名;遍照金剛
と言われることから
この「金剛」というものに
まつわる話がたくさんあります。
「金剛」自体は、ダイヤモンドであったり、
かたくつよいものです。
「大定(だいじょう)の徳のゆえに、金剛石に座し」
とくうくだりが、不動経にもあります。
大定とは、
内なる安定性と穏やかさを表し、
修行者が外部の状況や感情に惑わされずに、
心の平穏と智慧を保つ能力を指します。
金剛の徳を持つことで、
修行者は内在の力と調和を得ることができます。
大定の徳は、
修行者が金剛の力を通じて
内なる安定と
明晰さを養い、
生きる上で重要な要素となります。
大定の徳を備えることで、
心の浮き沈みに左右されずに
智慧を体現し、
真の平和と解放を追求することができる
とされています。
大定はそのようなものです。
そして「金剛」。
弘法大師にゆかりの深い
高野山は「金剛峯寺」といわれ、
これはさまざまなお寺の総称だそうです。
この名前の由来は「金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経」から。
金剛(こんごう)は、
仏教の教えにおいて強力で
不動の存在を象徴する重要なシンボルです。
以下に、金剛にまつわる話を3つほど挙げます。
金剛杵(こんごうしょ)と魔王の試練:ある時、釈迦(仏陀)は魔王マーラが菩提樹の下で彼の悟りを妨げようとしているのを見ました。その時、釈迦は金剛杵(こんごうしょ)を手に取り、魔王マーラに向かって投げつけました。金剛杵は魔王マーラの頭上を通り抜け、地に突き刺さりました。この出来事から、金剛杵は不動の力と抑える力を象徴するものとされています。
金剛般若経(こんごうはんにゃきょう):金剛般若経は、般若心経(はんにゃしんぎょう)とも呼ばれる重要な経典です。金剛般若経には、般若智慧や真理を金剛のような堅固なものとして理解することが説かれています。この経典は、仏教の中でも特に大乗仏教で重視され、金剛の力と智慧を得るための教えが含まれています。
金剛界(こんごうかい)と五智如来:金剛界は、仏教の宇宙観における世界の一つであり、金剛の力と不動性が支配するとされています。この金剛界には五智如来(ごちにょらい)と呼ばれる五体の仏陀が存在し、それぞれが五智の智慧を表しています。五智如来は、金剛の力を具現化し、智慧と不動の境地に到達した存在として崇められています。
これらの話や教えにおいて、
「金剛」は
不動の力
堅固さ
智慧
を象徴し、
修行者が執着や迷いを超え、
真実の本質を直接的に
理解するための道具として
重要な役割を果たしています。
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